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幻のかまど「三岡へっつい」再現

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幻のかまど「三岡へっつい」とは

幕末の福井藩士三岡八郎のちの由利公正が謹慎中に発明したとされる新型のかまどです。小説等では高性能で画期的・経済的であったと記されていますが、現存しているものはありません。しかし、当時三岡八郎は横井小楠等を通じて各地の偉人達とも交流が深く、鉄砲製造技術なども学び、新政府での財政の専門家としての顔とは別の科学技術の面でも長けた人物であった様です。
坂本龍馬は謹慎中の三岡八郎を冬にも関わらず福井まで訪ね、新国家建設の夢を語り合ったものの、その数日後に暗殺されてしまったと言う有名な話が伝わっています。

幻のかまど「三岡へっつい」の仕組み
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一次燃焼用空気は、焚口下部に一次吸気口を設け、鉄釜下部よりロストルを通して鉄釜の燃焼室に導入される。
二次燃焼用空気は、背面下部に二次吸気口を設け、鉄釜壁面に設けた二次空気腔を通すことで熱せられ、燃焼室に導入される。
排気は、二次空気導入口近くに排気口を設け、外部に排気する。

再現した幻のかまど「三岡へっつい」

燃焼室は鉄釜で、他の黒い部分は全て土で出来ています。芯となる日干しレンガを作る所から始め、そのレンガで鉄釜を被いその上に三種類の配合を変えた土を乾かしながら少しづつ何度も塗り重ねて作り、表面は水がかかっても拭けるように土佐黒漆喰を塗って仕上げてあります。背面の土の中に「三岡へっつい」の秘密があります。

私達が再現した「三岡へっつい」では、薪 700g(薪ストーブ用の薪 1 本)で 3 升のお米が 35 分で焚き上がります。

コラム執筆者:
会員番号2703 坂井順一(福井県左官組合理事)